嵐のコンサートの電子チケットを不正に転売した疑いで、北海道・札幌市の保育士の女性が書類送検されました。
転売目的で大量に購入する人がいると、本当に欲しい人に渡りません。
そうなると、転売者から購入することになりかねません。
今回は、チケット不正転売禁止法違反で逮捕者が出たことはあるのか、買う側(購入者)は罰則はないのか等について、お伝えします。
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嵐のチケット転売で書類送検!

嵐のコンサートの電子チケットを不正に転売した疑いで、北海道・札幌市の女性が書類送検されました。
女性はチケットをSNSで購入し、18歳の女子高生ら3人に、定価よりも高い4万円~13万円ほどで転売しており、2019年1月から約90万円を売り上げていたということです。
チケットは定価5,000円ということですので、少なくとも8倍以上の価格で販売していたことになります。
購入した際の名前に合わせて身分証を偽造し、入場確認をすり抜けたようです。
転売した女性は、自身も嵐のファンで、来年で活動を休止する嵐のコンサートに全て生きたくて、交通費等の資金が欲しかったと容疑を認めています。
チケット不正転売禁止法とは?条文は?

チケット不正転売禁止法は略称で、正確には「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」といいます。
平成30年12月14日に平成30年法律第103号として公布され,令和元年6月14日から施行されました。
文化庁のホームページに詳しく記載されています。
チケット不正転売禁止法は、特定興行入場券の不正転売を禁止し、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保し、興行の振興を通じた文化およびスポーツの振興、そして、国民の消費生活の安定に寄与するとともに、心豊かな国民生活の実現に資することを目的としています。
上記は条文の第一条の内容です。
条文全てを読みたい方は、こちらのPDFに全て記載されていますので、こちらをご覧ください。
罰則については以下のように定められています。
1年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
チケット不正転売禁止法違反で逮捕者はいる?

チケット不正転売禁止法は令和元年6月14日から施行されており、今回北海道・札幌の保育士の女性が摘発されたのが全国発となっています。
この女性は書類送検されただけなので、逮捕には至っておりません。
よって、2019年10月24日現在まだチケット不正転売禁止法が施行されてから逮捕者は出ていません。
チケット不正転売禁止法は買う側(購入者)は罰則なし?

チケット不正転売禁止法の罰則は、転売者のみで買う側(購入者)にはないのでしょうか?
これは条文を読めば理解できると思います。
第九条には罰則について記載されていますが、罰則は第三条・第四条の規定に違反した者とあります。
では、第三条・第四条を見てみましょう。
第三条 何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。
第四条 何人も、特定興行入場券の不正転売を目的として、特定興行入場券を譲り受けてはならない。
第四条は購入について記載されています。
不正転売を目的として譲り受けてはならないとありますね。
例えば、コンサートに行けなくなった人が定価でチケットを販売していたとして、それをさらに転売する目的で購入した場合は罰則があるということになりますね!
チケット不正転売禁止法は定価に手数料を加算するのはNG?

チケット不正転売禁止法は、興行主側が設定した販売価格(定価)を1円でも超える金額で転売していれば、規制の対象になるようです。
定価5000円のチケットを7000円で仕入れたものの、買い手がつかず6000円に値下げして転売した場合もアウトです。
また、定価5000円のチケットと定価500円のグッズをセットにし、チケット5000円、グッズ5000円の合計10000円で販売する抱き合わせ販売も禁止です。
チケットを高額で販売し、利益を得るために偽装していると判断されます。
また、気になるのは、定価には興行主側に支払うシステム利用料や発券手数料、送料といった実費を含むのか、転売価格に送料や封筒代、オークションサイト等のシステム利用料を含むのかです。
定価はあくまでも送料や封筒代、システム利用料等はチケット代とは別物で、販売業者のホームページ等でもチケット代とは区別しています。
通常、チケットの券面にもチケット代しか記載されていません。
ですから、含まれてないと考えるのが自然です。
転売価格について、法案策定に関与した国会議員らの見解を踏まえる以下のようになります。
- 送料等を転売価格と区別して明示していれば、転売価格に含まれないと評価される。
- ただし、その金額は通常の送料などを超えてはならず、もし超過していたら、超過分だけでなく、表示された金額全体が転売価格に含まれると評価される。
- 送料などを転売価格と区別して明示していなければ、どこまでが実費か特定できないので、全体が転売価格と評価される。
チケット不正転売禁止法違反の通報先は?

チケットの不正転売している人や業者を見つけた場合、東京都の場合の通報先は以下になっております。
必要事項を入力し、送信してください。
相談については、東京都消費生活総合センター、または、お近くの消費生活相談窓口にご相談ください。
今回は東京都を例にしましたが、各自治体の消費生活センターに相談しましょう。
まとめ
- 嵐のチケット転売で北海道・札幌市の女性が書類送検された。
- チケット不正転売禁止法の条文によると、特定興行入場券の不正転売を禁止し、その防止等に関する措置等を定めることにより、興行入場券の適正な流通を確保し、興行の振興を通じた文化およびスポーツの振興、そして、国民の消費生活の安定に寄与するとともに、心豊かな国民生活の実現に資することを目的としている。
- チケット不正転売禁止法違反で全国で初めて摘発されたのが今回の嵐のチケット転売の女性なので、まだ逮捕者はでていない。
- チケット不正転売禁止法は買う側(購入者)にも罰則がある場合もある。(不正転売を目的として購入するのはNG。)
- 「チケット代5000円、切手代82円、封筒代10円で合計5092円で譲ります!」という別途実費手数料での販売の仕方は、チケット不正転売禁止法違反とはならない。
- チケット不正転売禁止法違反の人や業者を見つけた場合、通報先が各自治体のホームページにある。相談したい場合は消費生活センターへ。
いかがでしたか?
今回チケット不正転売禁止法違反で初の摘発ということでしたが、今後どんどん摘発して健全化してほしいですね。
自分もファンで交通費等の資金を作るために転売をする人もいるんですね。
不正転売は絶対しないようにしてくださいね!