チュートリアル徳井義実さんが1億2千万円の申告漏れと所得隠しを指摘されたことを受けて、しばらく活動自粛するようですが、なぜ吉本興業に所属しているのに個人事務所を設立していたのかご存知でしょうか?
今回は、吉本興業で個人事務所の芸人は誰か?個人事務所設立のメリットは節税なのか等について、お伝えします。
個人事務所設立のメリットは節税?チューリップ設立の目的は?

チュートリアル徳井義実さんは、吉本興業に所属していながら、個人事務所を設立し、吉本興業の報酬を自身が設立した株式会社チューリップ経由で受け取っていました。
吉本興業の芸人たちは吉本興業という会社に所属しているわけですから、吉本興業から直接自分にギャラが支払われるのが普通ではないか?
そう思った方も多いはずです。
チュートリアル徳井さんのように個人事務所を設立して、個人事務所経由で報酬を受け取っている芸能人は多数いますが、そのメリットは「節税」です。
日本は累進課税という方式をとっています。
累進課税とは?
累進課税とは、課税標準(租税を賦課する課税対象)が増えるほど、より高い税率を課する課税方式のことをいう。
吉本興業から直接報酬を受け取った場合、税率が最大45%かかります。
しかし、個人事務所を通して給与として受け取った場合は、法人税が29%となります。
ほとんどを事務所の資金として、給与を少なくすれば所得税率も低くなります。
他にも経費に関するメリットもあります。
例えば、年収1,000万円の吉本興業の芸人さんがいたとしましょう。
普通に吉本興業から1,000万円のギャラを直接受け取ると、これに所得税等がかかり、約15%の150万円が持って行かれ、850万円になり、さらに、そこから家賃や車、交通費等を支払うことになります。
しかし、個人事務所を設立した場合は、自宅を個人事務所の所在地とすれば、家賃や車、交通費も、1,000万円の中から経費として計上できます。
経費ですから、税金がかかりません。
例えば、経費が500万円であれば、残りの500万円に対して税金がかかります。
この時点でかかる税金は100万円となります。
普通に吉本興業からギャラをもらう場合と比較して50万円の節税となります。
しかも、さらに家族や身内が5人を会社に入れて給与として、1人100万円ずつ分配すれば、税金は0です!
チュートリアル徳井さんは、所得隠しと申告漏れを指摘された件の会見で、「だらしない」、「無頓着」と言っていました。
しかし、個人事務所を設立するのは、手続きが面倒ですので、本当にだらしないのであれば、個人事務所設立なんかしません。
単純に高い税金を支払いたくなかったというだけで、節税の意識が高く、納税の意識が欠如していたということと考えられます。
チュートリアル徳井さんは、他の芸人の話を聞いて個人事務所を設立したということのようなので、もしかしたら他の芸人にも税務調査が及ぶかもしれません。
吉本興業で個人事務所の芸人は誰?

チュートリアル徳井さんは、株式会社チューリップを設立し、そこを経由して給与を受け取っていましたが、吉本興業で個人事務所の芸人は他にもいます。
有名どころで言えば、明石家さんまさんです。
吉本興業の闇営業問題で、さんまさんは「うちに来い」という話もしており、このとき私は、「え?さんまさんって吉本興業なのに個人事務所なの?」と思いました。
明石家さんまさんは「オフィス事務所」を設立しています。
他にも、極楽とんぼの加藤浩次さんは「有限会社加藤タクシー」、ココリコ田中直樹さんは「靴のタナカ」を設立しています。
加藤さんは、10月から吉本興業とのエージェント契約に切り替えてスケジュール管理を行い、節税以外の業務もこなしているようです。
節税が大きな目的の個人事務所設立ですが、吉本興業からのギャラ収入が2,000万円を超えるぐらいになると、個人事務所を設立する流れがあるそうです。
今回は、例として極楽とんぼ加藤浩次さん、ココリコ田中直樹さんについて挙げましたが、お笑いに限らず、タレントは誰でもよく知っている売れっ子であれば、大概個人事務所を設立しているものです。
沢尻エリカさん、安室奈美恵さん、島田紳助さん、絢香さん・水嶋ヒロさん、森進一さん等・・・。
個人事務所の作り方は?

株式会社として起業する場合は、定款の作成と認証、設立登記申請が必要です。
定款の認証は各地域の公証役場、設立登記の申請は各地域の法務局で行うことができます。
ただし、定款の作成や設立登記の申請のためには、多くの事項を決定しておく必要があり、株式会社は設立のための準備が複雑ですが、信用度が高く、融資を受けたりする上で有利になります。
合同会社であれば、公証役場による定款の認証が不要になることや、設立登記の申請料金が安くなる等株式会社と比較して設立が容易ですが、信用面において、株式会社と比較すると不利ではあります。
会社を設立する上で必要なのは以下になります。
- 会社名
- 登記する住所
- 代表取締役
- 設立日
- 事業目的
- 資本金
- 株主(発起人)
- 事業年度
- 取締役会
- 役員
また、会社を設立する上で必要になる書類も多数あります。
- 定款
- 資本金の払込明細書
- 印鑑証明書
- 発起人の決定書
- 設立時役員の就任承諾書
- 登記申請書
- 登録免許税貼付用台紙
- 法人設立届出書
- 青色申告の承認申請書
- 給与支払事務所等の開設届出書
- 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
- 資産評価に関する書類
- 労働保険に関する書類
- 雇用保険に関する書類
- 健康保険に関する書類
会社設立のためにお金は、安くても株式会社の場合は20万円、合同会社で6万円程度必要です。
一般的に、開業後すぐに事業が軌道に乗ることはありません。
そのため、しっかり経営計画を立てた上で、開業後半年~1年は十分な売上が出なくても大丈夫なぐらい資本金は準備しておいた方が良いでしょう。
また、会社設立のための期間ですが、早くても1~2週間ぐらいの期間が必要です。
専門家に依頼したり、何度も会社を設立したりしており慣れている場合は、数日で登記申請まで行うこともできますが、初めての場合は数日ではまず済みません。
会社設立についての書籍を1冊持っておくとよいかもしれませんね!
まとめ
- チュートリアル徳井さんのように個人事務所を設立して、個人事務所経由で報酬を受け取っている芸能人は多数いるが、そのメリットは「節税」である。
- チュートリアル徳井さん以外では、吉本興業の芸人では明石家さんまさん、極楽とんぼ加藤浩次さん、ココリコ田中直樹さん等も個人事務所を設立している。
- 個人事務所(会社)の作り方は当記事の中身を見てね!
いかがでしたか?
チュートリアル徳井さんは、1億2千万円もの所得隠しや申告漏れを指摘されましたが、もし今回指摘されずに今後もずっと納めないでいたら、もっとヤバイことになっていたのではないでしょうか?
1億8千万円の脱税で青汁王子が逮捕されているわけです。
このまま徳井さんが税金を納めずに放置していたら、青汁王子ぐらいの額まで達していたでしょう。
今回は逮捕もあり得た案件だったのではないでしょうか。
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